腸内フローラ、御存じですか?
昨年ぐらいからテレビでも特集が組まれているようです。
腸内フローラとは、、、
わたしたちの腸の中にはたくさんの細菌、なんと100兆以上!が住み着いています。
もう、想像付きにくい数字ですね。
この腸内細菌は、わたしたちのたべたものをエサにして腸内で生きており、この生態系を細菌のお花畑にみたてられて「腸内フローラ」(腸内細菌叢)と呼ばれています。
そして、この腸内の細菌、よく善玉菌やら悪玉菌というふうに言いますが、この細菌たちは腸の便通をよくするレベルだけではすまないほど、全身の健康や美容に深く関係していることがわかって来ています。
この腸内フローラの驚くべき真実について御紹介致します。
腸内フローラの真実
1、肥満体質の改善!
腸の状態が、肥満にも影響を及ぼす事は、細菌では良く知られるようになってきています。
実際、食べても太らない人と太る人、どう違うのでしょうか。
「基礎代謝」や「遺伝」など、多少はあるかと思います。
しかし、細菌では、腸内細菌の中に肥満を防ぐ細菌群がいるということがわかってきています。
この代表的なものがバクトロイデス門という細菌たちです。
そして、肥満を防いでいるのは、この腸内細菌が作る“短鎖脂肪酸”ということがわかってます。
この細菌たちの比率が、フィルミクテス門という細胞たちより少なくなることで、太りやすくなるなどの影響を受けやすくなります。
バクトロイデス門という細菌たちに代表される短鎖脂肪酸を作ってくれる細菌たちは、食物繊維が大好物です。
食事のバランスが崩れ、食物繊維が不足することで腸内フローラの状態が悪くなり、肥満体質になるという事です。
2、糖尿病の改善?!
肥満を防ぐ効果のある“短鎖脂肪酸”は糖尿病を改善する効果があるともされています。
これは、短鎖脂肪酸が腸内の細菌を刺激してインクレチンを分泌され、このインクレチンが膵臓にインスリンを分泌させる働きをする仕組みがあるとされているからです。
糖尿病については、腸のバリア機能が低下して血液中に細菌や毒素が漏れることにより、全身に弱い炎症を起こす事もわかって来てます。
腸の状態が、糖尿病に及ぼす影響はかなり大きいと言えます。
3、お肌の若返り!
腸内細菌がつくる“エクオール”という物質が、肌のシワが浅くなり肌を若返らせるという研究結果が出ています。
他にも更年期障害のホットフラッシュや骨密度の低下を防ぐ効果があったり、女性ホルモンの代わりとして働き、それを加齢による女性ホルモンの低下を補ってくれるのです。
エクオールの何処かで聞いたような効果、わたしたちが良く知っている大豆イソフラボンです。
大豆イソフラボンが腸内細菌で大豆イソフラボンよりも効果の高いスーパーイソフラボン“エクオール”にかえられます。
素晴らしい!腸内細菌!と言いたいところですが、このエクオールを作る腸内細菌がいる人といない人がいます。
日本人では、作れる人は半数ということです。
もし、自分がエクオールを作れるか?をチェックしたい場合は、下記のリンクからできるようです。
エクオールチェック
しかし、日本では半数ということらしいですが、欧米ではほとんどいないと言われています。
日本のように大豆を多く食べる習慣がなかったことが原因ではないかと思われます。
また、日本でも若年層ではエクオールを作れる割合が減ってきているという結果が出ています。
食事の欧米化が原因のひとつかも知れませんね。
昔ながらも食習慣を実践することで改善に向かう可能性があるかも知れません。
4、がんの発症にも影響
前述のエクオールは、前立腺がんのリスクが減少すると報告されています。
また、肥満になると増える“アリアケ菌”が、がんを誘発すると言われています。
DCAという、わたしたちの細胞を老化させる物質を作ってしまうのです。
このDCAの作用で老化した細胞が増えすぎると周囲にがんを誘発する物質をまきちらし、がんを発生させてしまうようです。
100%ではないですが、肥満にならない食習慣ががんの予防にもつながるという事ですね。
5、アレルギーをふせぐ?!
最近、アトピーや花粉症などのアレルギーが増えていますが、これは免疫が暴走する事が原因です。
通常、攻撃しなくても良い無外なものまで過剰に反応して攻撃してしまう。
これが、花粉症やアトピーなどにつながります。
このアレルギーなどの免疫疾患の予防や治療にも腸内細菌が重要な役割を果たすことが明らかになってきているようです。
むやみやたらに攻撃するのではない特殊ななだめ役の免疫細胞のTレグという免疫細胞の存在です。
この細胞は成熟過程で「短鎖脂肪酸」(酪酸)が働きかけることにより作られることになります。
Tレグの比率が増える事で、過剰な攻撃はおさまり、アレルギーの予防にもつながると考えられています。
6、腸の炎症をふせぐ!
腸のバリア機能が低下すると血液中に「菌の毒素」や「生きた菌」までもが漏れ出します。
その結果、全身が弱い炎症反応を起こし、糖尿病や動脈硬化、がんを招くことになりかねません。
今現在、わかっているのは前述にもあった短鎖脂肪酸が腸のバリア機能を高める役割をしています。
腸内環境、腸内フローラの状態が悪化すると、「漏れる腸」(リッキーガード症候群)といわれる、このような状態を招くことになります。
リッキーガードは小麦のたんぱく質であるグルテンも引き金になると言われています。
これは、ジョコビッチの生まれ変わる食事でも指摘されています。
7、うつ病の治療も可能になるかも?!
ストレスを感じると下痢になったり、便秘になったり、また腸の調子が悪いと不安やうつ症状を引き起こしたり、腸と脳の病気は密接に関係していることが明らかになって来ています。
この腸と脳をつなぐ直通回路は迷走神経(自律神経の一部)と呼ばれ、わたしたちの意識のないところでさまざまな機能を調整しています。気分や感情に対しても強い作用があり、うつの治療に対して「迷走神経刺激法」というものが欧米では行われていて、難治性のうつ病患者に有効だとされています。
では、腸内細菌はどのように働くのか、、、
腸内細菌は、神経細胞が刺激を受け取ったり、信号を伝達する「神経伝達物質」を作ることが最新の研究で明らかになってきました。
この神経伝達物質を腸の神経が受け取り、刺激し、迷走神経を介して脳に届きます。
現在、あるビフィズス菌を使用して、うつ病に対しての効果が認められおり、うつ病患者を腸内細菌で治療できないかという事で研究がすすんでいます。
8、自閉症にも効果あり?!
腸内細菌が作り出す物質が、自閉症の症状を引き起こす可能性のある原因の一つであるかもしれないようです。
自閉症患者は、この原因物質が腸から漏れ、血液中で増えてきているということは、すでにわかっています。
ただ、自閉症には様々な要因もあるため、まだまだ研究段階であるようですが、なんらかの関係があるとされ研究が進んでいるようです。
まとめ
いかがですか。
まだまだ研究段階のものもあるとは言え、腸内フローラがわたしたちの心やからだに及ぼす影響力は想像を絶しています。
なんと性格にまで影響するとか、、、
細菌たちの働きをみてみると腸内フローラは、心臓や肝臓や脳、肺など並ぶ必要不可欠なものと言えます。
最近では、腸活が取立たされ、発酵食品もブームになってきています。
日本には、むかしから、漬物や納豆、醤油や味噌やみりんなどの調味料といった発酵食品が豊富で、大豆もよく食べる習慣があります。
腸内フローラをイイ状態でに保つため、これらの発酵食品や食物繊維などをしっかりと頂くことは、とても重要です。
また、海藻を消化する腸内細菌は日本人にしかいなかったり、それぞれの民族にはそれぞれの食生活に最適化された腸内細菌がいると思われます。
(コアラにはユーカリを、シロアリには木を消化する細菌がいるのも同じです。)
ここでも、むかしながらの食習慣が、わたしたち日本人にあった食生活だと実感できます。
からだが喜ぶ食習慣を努めていきたいですね。
(参考)やせる!若返る!病気を防ぐ!腸内フローラ10の真実
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