最古の調味料“酢”の4つの働き!

酢が最古の調味料ということをご存知でしょうか。

酢は紀元前5000年メソポタミア南部のバビロニアで作られていた文献が残っています。

なので世界最古の調味料と言われています。

今回はそんな世界最古の調味料である酢の4つの働きを紹介します。

最古の調味料“酢”の4つの働き!

①疲労回復

人間が活動する事で筋肉組織に疲労物質である乳酸やピルビン酸が蓄積されます。

酢の成分である酢酸は、その疲労物質をクエン酸に変化、これらの疲労を分解してエネルギーに変えてくれます。

②減塩効果

酢には味を引き立たせる効果があります。塩分控えめの料理に使用することで味を調えることができます。
塩と酢をバランスよく使用すれば、栄養効果もUPですね。

③カルシウム吸収率の向上

カルシウムは体内で吸収されにくい性質を持っていますが、酢と一緒にとると酢酸カルシウムという物質に変化し、吸収率が大幅に高まります。

また、南蛮漬けなどは小魚の骨が柔らかくなる事で丸ごと食べる事が可能になり、お料理法としても大変理にかなっています。

“酢を飲むとからだが柔らかくなる”といいますが、むしろ、カルシウム吸収率が向上し、骨が丈夫になります。

④ビタミンC、Eの吸収率の向上

ビタミンCは調理の段階で破壊されやすいですが、酸性の酢を加える事で破壊を防ぐ効果があります。
また、抗酸化作用の強いビタミンEは通常体内に吸収されにくいのですが、酢と一緒に摂る事で吸収されやすくなります。

他にも、こんな調理効果も、、、

1、抗菌・防腐効果

抗菌・防腐効果は、古くから知られ、食材の長期保存に利用されてきました。
なんと“ピクルス”は、紀元前2000年から存在していた事がわかってます。
日本にもある昔からある“しめサバ”も、殺菌効果を利用した調理法です。

2、臭みを消す効果

酢は揮発性の高い液体です。これが、クセの強い食材と組み合わせると、そのにおいを抑えることができます。
これが、臭みを消す効果として知られている理由です。

3、煮くずれ防止

酢を短加熱すると、食材に含まれるたんぱく質を固めます。
例えば、煮魚に少量の酢を使うことで、魚の表面のたんぱく質を固めて、荷くずれを防止することができます。

4、肉や魚の骨を柔らかくする効果

逆に長時間加熱すると、たんぱく質を分解します。
これは、肉や魚をじっくり煮込むとやわらかくなり、味が浸透しやすくなります。

5、アク抜き、変色止め、色付け効果

酢の主成分の酢酸は、食材の色素や成分と化学反応する効果があります。
この食材の色素や成分と化学反応する効果を利用して、アク抜き・変色止め・色付けなどに活用されます。
例えば、ゴボウやレンコンを切った後の変色してしまいますが、酢水に漬けるとアクが抜けきれいな白色を保てます。
生姜やみょうを酢漬けにした時、鮮やかな紅色に変わるのは、アントシアニン色素と酢酸と反応するためです。

すごいですね。日々のご家庭のお料理に活用されているものをあげればこんなにたくさんの効果が!
このように、酢の効果を理解することでお料理の幅も広がります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
酢にはこんな働きやあんな働きがあるんですよ。

酢は酒を酢酸発酵してできる調味料なので、酒がある地域には酢があります。
日本では米酢が代表的ですが、世界には原料も製法も様々な多彩なものがたくさんあります。
「西洋医学の父」と言われるヒポクラテスは、ビネガー(ぶどうなどで作られる酢)の抗菌作用に注目して、患者の治療や健康回復に用いたと言われています。
ヒポクラテスですので、なんと紀元前の話ですね。
この健康効果は近年でも実証されている話で、飲料用の酢がかなり多く販売されています。

からだにもとてもイイ調味料である “酢” お料理に飲料に上手にお酢を摂り入れていきたいですね。

<参考>実業之日本社 調味料検定 公式テキスト
国際食学協会 食学調味料講座テキスト(下倉樹 監修)

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